2020年にプレイしたゲームの感想
- 2021年1月4日22時50分公開
- 本稿はツッコまれたり気づいたりして加筆・修正する可能性があります
終わりましたね、2020年。個人的には大変ひどい一年で、何をやっていたか? というと文句なしに「無」でして。ただ漫然と時間を空費する毎日だったわけですな。
そんな生きているかどうかも怪しい状態だったにもかかわらず、やっぱりゲームはそれなりにプレイしていました。だいたい30本ほどでしょうか。一月に2本ペース?それなりとはいったい。
そう……2020年は筋トレとゲーム以外なにもしていなかったのである!!
俺の足跡は以下の通り。おおむね時系列順。
- Fate/Grand Order
- プリンセスコネクト!Re:Dive
- グランブルーファンタジー
- ジム通い
- 幻影異聞録 FE Encore
- リングフィットアドベンチャー
- ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ
- MTG ARENA
- 雀魂
- GOD OF WAR
- あつまれ どうぶつの森
- FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE
- Helltaker
- おまけん2 ーお前が再び最強の剣士になるんだよー
- 龍が如く7
- Outer Wilds
- Slay the Spire
- VALORANT
- Ghost of Tsushima
- Fall Guys
- DEATH STRANDING
- ワールドフリッパー
- Orangeblood
- Among Us
- Vigil: The Longest Night
- One Step From Eden
- Factorio
- 自宅トレーニング
- 真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER
- 神獄塔 メアリスケルターFinale
- 天穂のサクナヒメ
- ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団
- ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜
- フィットボクシング/フィットボクシング2
- Cyberpunk 2077
- ロマンシング サガ リ・ユニバース
- 総括
Fate/Grand Order
いえーいもしもしオーダーしてるー? 神ゲーだよー? みんなやってるよー? えーやってないのー、ダッサーい! イケてなーい!! カッコワルーい!!!
そう、俺はかように信心深いプレイヤーであるからして、福袋、一点狙いの葛飾北斎が来た。楊貴妃も一発ツモだった。だが1年後の己の表情を当然俺は知らなかった……
で、「ジャンル:同調圧力」みたいな部分が大いにある本作ですが、まあそれはそれとしてプレイを完全に遮断するほどに不出来でもなく、また手持ちのアセットが飽和しつつあるからいわゆる周回行為もさほどハードにする必要もなくなり、珍妙な距離感をともなった快適さが生まれているのも事実。
ただ、イベントシナリオは一切読まなくなった。もう、つらいんだ。
プリンセスコネクト!Re:Dive
新年早々やったことといえばクランメンバーのリクルート。当時はなんか真面目にTwitterでいちいち検索して個別に勧誘してました。それはもう毎月のように。
でもそれはもうやはり毎月のように一人二人と欠けてゆく。そんであるときキレて「ああもうオープン設定にしたれや、変なの来たらそんとき蹴ればええやろ」でエイヤッと御開帳したら、概ね機能してしまった。俺の努力は無駄、仕事のための仕事だったのだ。愚鈍。
ゲームの部分については、もはや何も言うことがない&言いたくないニャルの実装とクラバトの崩壊で、俺たちのモチベーションが泥のようになったことだけは忘れないようにしたい。なんか最近忘れがちじゃない? あのキャラ、文句なしにクソだからね?
あとは恒例のアリーナ・プリーナリセットのアレな。
NPCがチーターっていうギャグを引っさげての颯爽登場、プレイヤーたちは発狂しながら登っていったといわれています。冗談じゃねーぞ。いや、一回こっきりの環境だから冗談ですませていいのか。めでたしめでたし。
あ、あと石が天井4回分貯まりました。あんま課金してないのに。不思議だね。
グランブルーファンタジー
もはや全空の顔と化したガチャピンとムックのオジキらにゲタを壮大に履かせてもらい、新春下駄天井。
そしてそのままあまりプレイせず、クランイベントですらゆるやかにしていた。このまま引退かな、と思っていた年末のグランデフェスで200連が当たり、急にモチベーションが復活。
とはいうものの、マグナ2から放置し続けたツケは大きすぎる。アーカルムは全部簡易探索していた大罪を背負うことになったし、いまさら支配の天秤目当てでアヌビスを連戦するのはつらい。アルバハはNもHLも誰かが吹き飛ばしてくれるくらいにインフレしてて気楽なのは良い。
なんだか今年は多少お空のお世話になりそうな気がしている。やっていくぜ。
ジム通い
去年から引き続き、コツコツとジム通いは継続していました。もちろん場所はエニタイム梅田東。いつ行っても高確率で化け物みたいなマッチョとエンカウントできるので、妖怪ウォッチを持ってる人は一度チェックしにいってみてほしい。とんでもないオバケを捕獲できるかもしれないぞ。
膝を痛めたり足の裏を痛めたりもしたけれど、きっちり病院に通って治してはまた筋肉道へ。甘えるんじゃねえ、治せるものは治すんだよ!
フィットネスを管理するためにApple Watchを愛用してきた。特化したスマートウォッチでもいいんだろうけど、どうせiPhone使ってるんでね。使用感も抜群。最近はフレンドとワークアウト情報を共有するようにして、筋肉相互監視社会が構築されつつある。
そんなこんなで地道に続けてて、マシンの負荷も徐々に上昇して気持ちよくなってきてたんだけど、さすがにコロナ騒動が収まらないにもほどがあり、感染リスクの多寡はともかく「取るべきでないリスク」にカテゴリされてしまうなと判断したので、遺憾ながらジムは休会しました。来月あたり解約しちゃうかも。
じゃあお前はデブになるだけなの? というとそんなはずはなく……(自宅トレ編へ続く)
幻影異聞録 FE Encore
ふぁーーいあーーーえーーんぶれーーーむ まーもりたいものーがあるー
元々が薄味なゲームだから台詞回しなんかもほとんど忘れてて、それが功を奏したか、存外新鮮な気持ちでプレイすることができた。良いことなのか悪いことなのか……
ゲーム内容としてはビックリするくらいのほぼベタ移植で、部分的な改修とダンジョンの追加に留まる。どうせならアマラ深界みたいなのがほしかった。オラオラどうした『真・女神転生 meets ファイアーエムブレム(仮)』! 腰が引けてっぞ!
あ、ちなみに光の戯曲もベタ移植でした。そこは変えないでヨシ!!
リングフィットアドベンチャー
客人がお試しにと持ってきてくれたのを触って「これや!」と開眼。意地でも手に入れくなるも、転売屋が跳梁跋扈する魔界と化していた。
しかし、どこからか「ヨドバシには定期的に入荷している」という情報を入手。その後、「ヨドバシ 梅田 リングフィット」でしつこくツイッターを検索し続ける毎日。その怪しげな努力は結実し、入荷の翌日の朝にゲームコーナーへダッシュする俺がいた。
何をやってたかとか、そういった詳細は記事のほうで。ひとまず3周クリアして一旦輪っかを使ったエクササイズは終了しています。ゲームで現状採用しているのは『フィットボクシング2』(後述)。ゲームでトレーニングするのって、やっぱ良いですよ。明るいし、にぎやかだし。ジジイか俺は。
輪っかにしろフィットボにしろ、Twitchで配信している人がほとんどいないのが難点。いてもカメラ無しでガッカリしたりとか。ガッカリとは?
カメラ有りで配信してる人らは、痩せるかどうかはわからんが強くなれるだろうとは思います。よう知らんけど2020年は強くなれる理由をみんな知りたがってたんでしょ?
ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ
アトラス×コーエーテクモゲームス送り込んできた刺客。『ペルソナ』と『無双』のコラボ……じつに安直なカップだ……という俺の予想を遥か上空を行く内容。無双シリーズ最近全然やってなかったんだけど、こんな楽しいもんだっけ? ってなった。
『P5R』がそれなりにズバッと終わっちゃったから、こっから先は何をやっても蛇足だろって予想してたんだけど、そんな浅い読みにはバッチリ対応。キャラの掘り下げや発散が成されており、世界観がより魅力的になった。ただ、どちらかといえばコミカルでキャッチーな性質を帯びたのは好みが分かれるかもしれない。
なお、『P5R』追加シナリオの主要キャラクターは一切登場しない。発売スケジュールの問題とはいえ、寂寥感があったのも事実だ。あんな後輩、怪盗団にいなかったんだよ……
アクションパートは、なにせ無双に全然触れてない(まともにやったのは3が最後とかそんなの)からコメントするのはどうかという感じなんだが、あら無双、無双じゃない! お楽しいわ! クソ爽快感ございますわ!
もちろん骨子はいい意味で雑なんだけれど、詰めようとすればいろいろな角度から詰められる。トロコンまで飽きずに遊ぶには十分な密度を誇っているといえる。
ちなみに、ラスボス前に流れる曲がやたらかっこいい。一時期(数カ月間)こればっか聞いてた。いちおうネタバレ注意。
本作最大の弱点はロード時間。最初、PS4版のメディアを買っていたのだが、あまりに画面遷移がチンタラしていて、売るかどうかってところまでいった。が、「SSD導入したらだいぶ改善される」って書き込みを見つけて。ほうほう、とバッファローの外付けSSDをぶっ刺してインストールしたらロード時間 1/4くらいになった。これ公式でアナウンスしといたほうがいいと思います。
総じて良いゲームなので、ペルソナファンならやっといて損なし。ただしSSDだけは忘れるなよ、半魚人との約束だぞ。
ボス敵に即死が効かないなどというナイーブな考え方は捨てろ。
MTG ARENA
ある日、一人の男がメンコに誘われた……[物語導入部]
ゲーマーを自称しているくせに恥ずかしながら俺はこの歳までギャザにほとんど触れてこなかったんです。カードゲームといえば『乖離性ミリオンアーサー』かな、くらいの浅さ。浅瀬も浅瀬、足首に水がつからないレベル。稲もキレるレベル。
しかしある日休眠地帯先生が俺を魔界へと誘ってきた。当時どんな展開だったかもうよく覚えてないんだけど、とにかく「アリーナやろうぜ、初心者でもワカりやすいからよ」くらいの流れだったような気がする。うっすらと。
で、配られるカードであれやこれややれるぜ! っていう先達の教えにいきなり牙を剥いて「うるせえ! 最強のデッキだ!!」つって即座に課金。それが冒頭の画像の出来事だ。俺らしいよね。じゃあ何組むの?
そう、赤単だ。白単で鷹が殴って猫がデカくなるデッキをオススメされたり、青白コントロールが最強だぜって情報に手をかけたりしたが、赤単なんだ。赤単はいい。悩むことが少ない。ゲームスピードが速い。シンプルイズベストだ。
えてしてそういう強さというのは早々に頭打ちになりがちなものだけれど、幸いなことにテーロスのスタンダードではわりと勝てた。もちろんトップメタではないから、勝てば勝つほどに多種多様なデッキとぶち当たったものの、それでも勝率5割をキープできてしまった。カードゲームは強さを押し付けるものだよキミぃ。
どこまでいけるんでしょうね、ゴールド? いやいやプラチナ? ダイヤまでいけるか? もっと俺は戦える……などとやっていると
いやー感動的でしたね。絶叫とガッツポーズと、多少の涙。MTGはアホでもプレイできると証明してのけたわけだから、俺は人類史に残るし、下手したら英霊として召喚される恐れすらある。クラスはアルターエゴかな。その後? ミシックで勝ち抜けるわけねーだろワカってて聞いてんのか?
で、気持ちよくプレイを続けてたんだけど、イコリアで「?」ってなって、2020で「???」ってなって、無事フェードアウトしました。やはりコントロールデッキは悪。打ち消し呪文延々構えてるやつは精神的童貞だよバーカバーカ。
またそのうち復活する予定です。ワイルドカード山程貯まってるしな。
雀魂
チンにゃ! ポーにゃ! ダブルチンポにゃ! チンチンチンチンチンポにゃ!!
2020年って何気に相当麻雀人口増えた年だったんじゃないでしょうか。どことは言いませんがデカいクラスタで大流行してたし。プレイヤーが増えることはいいことです。雀魂というプラットフォーム自体も(いくつかツッコミどころはあるけれど)捨てたものではない。この調子で人気が保たれるのならそりゃ素晴らしいことだ。
俺は俺でそこそこ遊んでたんですが、いかんせん酒を呑みながらのソロプレイなので全体的に雑なプレイングとなり、昇格は地味なところでストップ。アバター目当てのプレイも目当てのワン次郎があっさり手に入ってしまったので、やる気が激減。仲間内の麻雀意欲も低く、そのままフェードアウト。残念。
俺のモチベーションはまるで枯れてないので、頭数必要ならいつでも呼んでください。え? 黒川基準? あれ結局違法って話じゃなかったっけ?
GOD OF WAR
覚えてねえ……何もかも……。……なぜだ……。
いや嘘々、覚えてるよ、全部とはいわないけど。クレイトスがえらい丸くなっちゃってるとか、それでも父親失格な発言を連発してたりとか、変な全身もんもんのにーちゃんに付け狙われたりだとか、母親の遺灰をばらまきに山登りしたりとか、空中でマウントとったりとか……うん、だいたい覚えてるな!
個人的には、良質なアクションゲームかと聞かれたら答えにつまるし、物語や演出もただただ壮大でリッチな”だけ”で魅力をそれほど感じなかった。広々とした舞台特有のダラッとしたフィーリングや、微妙にもっさりとしたバトルの感触は記憶に残っている。よろしくはない。
既存のタイトルは別物と考えればよろしいとはいうものの、物語のアウトラインを知らないとしたらそれはそれで致命的な問題になりそうだし、悩ましいところだ。本作をプレイするには純粋の心が求められる。
クレイトスの息子って、そういう意味? え? じゃああのオチは?
あつまれ どうぶつの森
やってきたぜ、カブの時期がよ。スローライフ? ぬかせ、世の中ゼニじゃ。あのタヌキ野郎がほざいとることは何一つ間違うちょらんけんの、この世で信用できるのは筋肉とカネだけじゃ、よう覚えとけ!
そのつもりでプレイ開始。最初は素直に地道に魚釣りだ。投資の頭金を作るには魚釣りとシリーズの相場と現実の遠洋漁業が示している。……ん? 孤島でタランチュラ狩り? えらいゲームになってしもたのお、でもおじさんそういうの嫌いやあらへんで、大好きなカブのためにならゲームチックな仕様は存分に活用してしかるのちにカブにオールインしてガッポガッポしてワッハワッハになるんやタヌキに札束ビンタかまし
「DUPEバグあるやで」
……。
まあ、見ての通りですな。くだんのバグは修正済みです。そりゃそうだ。
そんなもんなわけで、我がケオイミ島は島中が王冠だらけという、死と退廃に満ちた異界と化したわけです。瘴気を吸うと死んでしまうので、もうプレイしてません。完全に自己責任じゃねえか! アホかな?
実際に耳揃えて返す瞬間は楽しかったです。
FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE
すげえ。何一つ覚えてねえ。面白いゲームだったんだけど覚えてねえ。やっぱゲームのインプレってのはプレイして直後に書かなきゃダメだな。年始一発目の気づきがそれか? 俺もうアラフォーなんだけど。不惑とか昔のやつはホラ吹きすぎ。
ああ、あとデバッグ用? みたいな武器を乱数表利用して手に入れてゲームを無茶苦茶にしたのも思い出した。真面目にプレイしてねえじゃねえか、だから内容覚えてないんだよ。真理だ!(気づき2つ目)
Helltaker
界隈で流行ったコンテンツ。知らないゲーマーはいないとされている。パズルゲーのガワをかぶった全年齢対応のエロゲー。精通導入ツール。パズルでシコるな。
今なおコンテンツは尽きていない。二次創作もちらほら。それくらいエロい。おわかりいただけるだろうか。そう、この世の中にはエロいパズルゲームが3つある。『テトリス』『ぷよぷよ』『Helltaker』だ。
おまけん2 ーお前が再び最強の剣士になるんだよー
ブラウザで遊ぶUnity製ゲームなやつたちのひとつ。ゲームのコンセプトとしてはちらほら似たようなものを見かけるタイプで、目新しさはそんなになかったんだけども、プレイフィールがほどよく小気味よくて長々プレイしてしまった。良きファイターです。
ただ、クリア後の純ハクスラ要素の調整がいまいち肌にあわず止む無く撤退。ビルドの方向性の幅が狭すぎるような気がしたんだ。あとドロップが渋すぎるとか。そのへんはもう調整されてるかな、チェックしてないから知らない。
いずれにせよ10時間以上は遊んだし、この手合の作品としては頭一つ抜けている印象はある。一発ネタで終わらないクオリティなので、『Diablo』あたりが好きな人はぜひ一度さわってみてほしい。
龍が如く7
一体……
シリーズほとんど全部やってますけどね、ほんと「一体何があったんだ」としか表現できない。すごいよ、こんだけの舵取り。衝撃で舵とれちゃうんじゃないか。バイオの『3』から『4』のミューテーションと同規模。ひとつの生命の終焉と創造すら感じる。
いやね、根っこの部分は文句なしに『如く』なんですよ。
こういうフレーズがバンバン出てくるし、
しょうもないシーンで衝撃発言が飛び出したり、
問題発言も当然あり、
何もかもわからない絵面が飛び出たり。
そういうところはいつもの、あるいはそれ以上の『如く』。山盛りで膨満感を感じるミニゲームの山もいつもの『如く』。演出まわりに関しては桐生一馬という足かせを取っ払ったぶん、より自由に・パワフルになったように感じる。
じゃあ根っこじゃない、変わった部分は。もうみなさんご存知、バトルパート。これもう一兆人くらいが言及してるだろうし、いまさら俺の口から説明するようなこともないので詳述は避けますが、「スパイクアウトがドラクエになった」ってことです。わかりやすいですね。わかんねえ! 別ゲーじゃねえか!
挑戦一発目にしてはゲームの骨子に組み込んだ『ドラクエ』マインドを十全に発揮しており、かなりの品質に達している。微妙にテンポが悪かったりするけれど、事実上の処女作としては及第点でしょう。そもテンポの改善については定評があるシリーズだし、『8』が楽しみだ。次はFFか?
Outer Wilds
巷が盛り上がった作品のひとつ。太陽を中心とした星々を巡って散らばったヒントをかき集め、真理に辿り着こう。つまりは『MYST』の系譜。さらなるご先祖様なんぼでもおるんやろうけどワシはよう知らんわ、『ナゾラー少年探偵団』とかか?
これまた某所で長文が大発表されてバズってたので詳述はパス。もういいでしょ、細かい話は。うんうん、良いゲームでしたねー、すばらしい世界でしたねー、はいはいこの話はこれでおしまい!
個人的には、このゲームを手放しで大絶賛する人間は信用しないことにしてる。
Slay the Spire
俺: 「なんか、すれいざすぱいあ? ってゲームがあるらしいじゃないですか」(大意)
直後、
そう来られちゃあ……やらねえわけには……いかねえよな! 俺だって元ミリオンアーサーの民、今年はギャザだって始めちまったんだ! ミシックタッチした男だぞ! こんな『FTL』みてえなカードゲームには絶対に負けカチカチチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカカチカチカ
長い時が流れた……
いやーシャレになってねーなー。中毒性とか脳に与える影響とか考えるなら酒タバコ大麻を規制する前に本作をどうにかしたほうがいい。危険なゲーム。
デッキ構築型のゲームなんて今じゃ珍しくもなんともないし、『スレスパ』自体が新しいゲームじゃないからいまさらなにをって突っ込まれたら反論の余地はない。しかしそれでもなお、「未プレイならマスト」と断言したい、名作中の名作。
広すぎるくらい広い懐、深すぎて深奥が闇の中の闇になっているゲーム性、これ以上は無理だろうというほど快適なプレイフィール、最低限な描写ながらも想像力が励起させられる世界観、どれをとっても極めて高い完成度に到達している。
家庭用版のローカライズはトンチキなことになっているので、プレイするならSteam版がオススメ。有志による翻訳って取り扱いが難しいなと考えさせられる一例でもあった。
VALORANT
世界最新の殺人ゲーム。5対5で殺し合え。勝敗を決するのはエイム力でも知性でも戦略でもない。殺意だ。より純粋で強い殺意を持つプレイヤーが勝者となるのだ。
ようするにCSGOの後続。ご先祖さまの系譜と比べたら比較的ノイズやまぎれの比重が高く、カジュアル路線といえなくもない。が、根幹がどうしても殺伐ゲームのそれであるため、誰にでもプレイできるような内容では決してない。負けたときの捨て台詞は「はーつまんね[任意のゲーム名 (例: スプラトゥーン)]やるわ」である。
プレイ時間だけでいえば2020年最も長く、面白さ・楽しさは当然のように伴っている。環境といっていい。リリースからそこそこ経っているにもかかわらず、仲間内だけで2~5人プリメイドでコンペティティブに行ける。こんなゲーム、そうそうないよ。
レーティングは乱高下を続けており、ブロンズ3からゴールド3まで行ったり来たりしている。歳食ったからだなんて言い訳をするつもりはない。ただただ真剣さの問題でございますな。酒を呑みながらFPSをプレイするんじゃないッ! それは公害だ!
最近はレーティングを下げる行為を”減量”と呼ぶようになりました。スマーフって言葉、強いじゃないですか。これからのFPS世界のマナーにしようぜ。
メンツは慢性的に足りてないのでなんぼでも募集中。
Ghost of Tsushima
チンポは浜で死にました(ED)。
内容についてはもうなんていうか、みんなとっくに言いたい放題言い切ったよね系だから俺の方からはとくになにも……やたら頑丈な馬とか、どこにでもあるハシゴとか、誰が手入れしてるのかわからない地理にある社とか、全員神エイムのモンゴル人とか、一騎打ちのフェイントがかわいいとか、対馬流ガバガバ戦術理論とか、乾いてないアスファルトに押し当てたような足跡とか、あちこちに湧いてる温泉とか、尻とか、めっちゃ燃える火矢とか、めっちゃ即死する毒とか、モンゴル超兵器ロケット花火弾幕とか、やたらしつこいオジキとか……まあ、覚えてるのはその程度のことですよ……(追記予定)
Fall Guys
なにがガイズやふざけるな。令和最新の相撲ゲーム。やっぱ時代はバトルロイヤルものだよ、相撲もh2h形式から抜け出すべきだね。
絶対この流行続かねーだろうなーってぼやきながら一応購入。Steam版はマイナンバー制が厳しく敷かれ、また、チーターはVALORANTのスマーフ野郎より多い。はっきり言って、真面目に取り組むに値しない空気だった。
チートの手法がやたらバリエーション豊かなのはある種楽しかった。一瞬で飛んでいくやつはおかわいいほうで、面倒なやつだと勝敗が決するギリギリのフェーズで二段ジャンプしたりしてた。去年『Apex Legends』がチート博覧会になっていたが、今年は本作がその枠にあたる。
まだやってるプレイヤーは誠実なタイプである蓋然性が高い。
DEATH STRANDING
「ジャンル: ノーマン・リーダス」。ノーマン・リーダスの陰茎は観測されず、量子的に揺蕩っているが、その存在は確実視されている。サム、MODDINGハードマンだ。
なんちゅーか、評価に困るタイトル。奥深いゲーム性! とかそういう概念とは距離をおいているスタンスでありそうなのに、プレイし始めるとやることが山盛り。動かして美麗なビジュアルは、写真撮影的センスがない素人が一枚を切り出すと急にショボくなる。「ほぼ宅配・一部TPS」なだけだが、猛烈な緩急があるゲームといえるか。
細かい部分をあれこれ指摘するのは容易だけどそれは他の誰かがすでにやっているとして、なにはなくとも「ノーマン・リーダスを動かしてウキウキするゲーム」である。この感覚を共有していただくためだけにドラマ『Walking Dead』シリーズを数十時間ほど 視聴してもらう必要があるほどだ。
全体を通して、やることはいたってシンプル。でも手段は多種多様。目的もシンプル。でもアプローチの手法は十人十色。ノーマン・リーダスをロールプレイするにあたって必要な下地が本作には備わっている。
これはHIDEO KOJIMAであれば言うまでもないことかもしれないが、シナリオの魅力もすばらしい。ただ目標を達成していくだけなのにジェットコースターのような味わいが含まれている。
総評としては、「ノーマン・リーダスのファンならマスト」。それ以外なら……「良質な何かをダラダラプレイしたい人向け」ってところか。
ワールドフリッパー
いろいろあってちょっと触ってました。今後プレイすることはおそらく二度とない。
Orangeblood
ハクスラ風味を濃くしたJRPGサクセサー。ドット絵は高水準にまとまっている。世界観は典型的なKAWAIIに見た目を置換した『ブラック・ラグーン』。典型的なようで存外めずらしいような。オチもふくめてオッ?となるものを感じさせる。
本作最大の難点は、個性でもあるハクスラ要素の調整が雑すぎるところにある。いきなり強い装備が手に入ってしまうことは構わないにしても、そもそもアイテムの強弱がわかりづらく、トレハンの心地よさが大きくスポイルされてしまっている。惜しいところだ。
また、去年も同じことを書いたが、この手のRPGのバトルがしょうもなくなる理由の大半は「雑魚戦全部全体攻撃」であり、残念ながら本作もそのカルマから逃れられていない。最初から最後までとにかくバフをかけて全体攻撃だ。これが面白いかといわれるとさすがにノー。
バトルバランス以外は総合力が高かっただけに、次に期待。
Among Us
界隈で流行ったゲームそのn。しばしば「宇宙人狼」などと表現されているが、防衛側のロールやスキルなどが存在しないため、あまり適切な表現ではないと思う。 無根拠な言葉で殴り合う点では共通している。
面白い面白くない以前に、メンツを集めきるのが至難というのが本作の課題。野良でやってもビタイチ楽しくないだけに、ボイスチャットができるようなプレイヤーを集める必要があるのだが、それが2人や3人じゃまず足りず、どう甘く見積もっても7人はほしいところ。その点をクリアできるコミュニティに所属しているゲーマーだけが本作をプレイする権利を有する。
なんとか頭数をそろえようと勧誘しまくるも、「お前とはプレイしたくない(要約)」などと言われ、無念のフェードアウト。誰か遊んでください。ひたすら追放されるだけでもいいので。
Vigil: The Longest Night
メトロイドヴァニアですね、ええ。ああ、この表現使うと怒る人がいるんだっけ? えー、横スクロール探索型アクションRPG? めんどくせーからメトロイドヴァニアで構わん?
このゲームまるで観測してなかったのでぽっといきなり出てきたように思えたんだけど、全然そんなこたーねーのね。おっちゃん知らんかったわ。大Steam様の大サジェストに大登壇してるのをみてなんとなく買った。
とにかく、メトロイドヴァニアとしての品質がやたら高い作品となっている。アクションの触り心地や奥深さ、探索への渇望感、引き込まれるシナリオ、耳に残る音楽等など。欠陥らしい欠陥がめずらしいほどに少ない。
メトロイドヴァニアファンならプレイ必須といえるが、俺がプレイした時点で本作は2つの重大な問題をかかえていた。ひとつは装備のバランス、もうひとつはバグだ。
前者はいたってシンプルで、最強装備のビルドがわかりやすすぎたのだ。しかもそれが店売りアイテムだったからさらによくない。これはフォーラムでも指摘があった。
後者はこれまたプレイ当時の話であるが、真ENDに到達できないという致命的なバグがあった。さすがにどうなんだと怒るべきところだが、それでも複数周回した満足感が消えることはなかった。
まあ、発売からそこそこ時間が経過してるし、諸々解決されているだろうということにして、とりあえずはオススメの一作ということにしたい。
One Step From Eden
人間、急にスイッチが入ることってあるじゃないですか。こいつをプレイした動機があるとすれば、そう説明するほかない。セールしていたわけでもなく、『ロックマンエグゼ』に愛着があるわけでもなく、誰かに勧められたわけでもなく。でもなぜだか無性にプレイしたくなって買う。えてしてそうやって触れたゲームには満足できるものだ。
『スレスパ』と同じくデッキ構築型。なのだが、ゲームスピードが速すぎて結局一周クリアするまではスキルをコントロール下におくことはできず、ただひたすらに連射するだけだった。それでもクリアできるし、楽しい。無論、上級者たちはあらゆるデッキを使いこなし、とんでもないプレイングをしている。
どこを切り取っても濃厚な作品で、隙がまるでない。強いていうと、あまりにもその濃すぎる内容がゆえにプレイまでの心理的なハードルがやや高い。軽々と腰を上げられるころには初心者卒業ということなのかもしれない。
「ゲームに挑戦したい」といった欲求とサガを抱えている悩ましいゲーマーはトライするべきだろう。ゲーム基礎能力の測定にもよさそうだ。
Factorio
フレンドがプレイしているのを見かけて「ほーん、そういやそがなゲームもございましたなあ」と思いストアページを開き、”セールをする予定はない”といった主旨の記述を読み、なるほどと即購入。
ごめんよ、じつはまだロケット飛ばすところまではいってないんだ。でもこのゲームのことは……ちょっとだけ理解した! 理系向けのゲームだ!! プログラマとかがメッチャ複雑なサーキット作って喜んでるんでしょ! キーッ! くやしい!
『One Step from Eden』とは真逆で随分とまったりとした感触のゲームだが、その実態は掘れば底の無い沼である。攻略サイトを開いても何をやっているのかわからなかったりする。真に知力が問われるので、そうした遊びが嫌いな人には向かないだろう。だが、本作は疑いようのない時間泥棒だ。
なお、マルチプレイも楽しいという点も強調しておきたい。いつの間にかわけのわからないラインが建造されてたり、勝手に資材パクるベルトコンベアを設置したりとか。そのへんの自由さは『Minecraft』が近しい。
自宅トレーニング
嫌なご時世ですねえ。
百数十回通ったジムも、ちょっとなと。先に述べたとおり「取るべきでないリスク」は取らないのがまともな人間だし、何より俺の両親はどっちも高齢かつ病弱である。ならもー、ジムは遺憾ながら休会するしかねえなと。ならどうするのと。
トレーニングに、場所は関係ないんだぜ。オラッ! 自宅で追い込め! でも全部自重は味気ないの、俺はワガママなオッサンだからトレーニングもオシャレに
ベンチとダンベルとシャフトがあれば全部できるの。あとスクワットやりながらボクササイズごっこしてたら身体は音を上げるの。おっちゃんもうアラフォーやけん、そんな無理するこたーねーなと自問自答するわけですが、しばしば強引に自己洗脳してトレーニングに勤しんでおります。やっぱ運動はいいよな、あらゆる悩みから解放される。気持ちは晴れやかになるし、なにより体調が……あんまよくないな……
すぐさま痩せたりしないのは1年継続的にやっててわかってる話なので、「これをやってなければ今頃俺は脂肪の塊」と言い聞かせて続けています。これが不健全なことだとは俺は思わないね。
あと、単純に筋力は強くなったね、あきらかに。重いもの持つのとか格段にラクになった。あと息切れしなくなった。この調子であと35年鍛え続けてそのまま老衰で死ぬ予定です。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER
11月を中心に展開された2020年の超弩級ゲームラッシュは、真・女神転生Ⅲで幕を開けた。
そもそもオリジナルの『真3』のデキが極限にまで高められているから、おのずと本作は比較される宿命にある。そうなると本来であればとられないであろう揚げ足までもっていかれるのは致し方ないことだ。
それにしてもなんやね、正直、「完成度低いな―」って愚痴らざるをえない内容だったよ。もう言い尽くされているけど念押ししておくと、SD画質のままのムービー・レスポンスの悪くなったUI・オリジナルより長いローディング・邪教の館のロード問題・不快なDLC・珍奇にセンタリングされたテキスト、あたりかな。
ゲームバランスの細かいところまでは、率直にいってよくわからない。海外勢がたまに走ったりしているから悪くはなさそう。また、最近のアップデートでスキル継承を任意に選択できるようになったとのことで、これはゲーム性に劇的な影響を与えていそうだ。
わりかしボロクソに書いたが、なにせ元々が限りなく満点に近いゲームである。PS2版未プレイなら必須級だし、プレイ済みでも遊ぶ価値は十分にある。そこのところは履き違えてはならない。真の敵は別にいる。
神獄塔 メアリスケルターFinale
あるゲーマーが言った。「コンパイルハートに何を期待しとるんや」と。そう、本作を象徴する言葉だ。何を期待しとったんやろね俺は。
これはまさしく無の金太郎飴みたいなゲーム。どこをどう切っても虚空が溢れ出てくる。狂気の象徴のような仕上がりだ。プレイすると体調が悪くなるくらいにひどい。
どこもかしこも”ありえない”ので全部を語り尽くすと千夜一夜物語になってしまう。3つにポイントを絞ろう。
1、壊滅的なダンジョン探索。ダンジョンの設計が本当にひどい。それはまるで小学生が書いた方眼紙の迷路である。そこまでか? って疑義を呈する人にお伝えしたい。このゲームのダンジョン、俺が小学校のころに自分のノートに書いてたやつにそっくりなのよ。恐ろしい話だ。
あれをデザインした人は、なにゆえ古くは『Wizardry』が、現代では『世界樹の迷宮』が優れた3Dダンジョン探索型RPGとして礼賛されているのか、論理的に研究したほうがいい。
2、絶望的なテキストセンス。電撃が噛んでる時点でラノベチックになるのは全体の方向性としては理解するが、品質が低すぎる。ラノベというのは低レベルな日本語で書かれた小説を指すわけではない。
抑揚のない物語、似たような発言を繰り返すキャラクター、見栄えの良くないただただ露悪的な表現、エトセトラ。これに魅力を感じるのはマインドが中学生か、本物の中学生か、よほど人生経験が不足しているか、いずれかだ。
3、終わっているバトルシステム。ゲームメカニクス全体が瓦解しているが、とりわけバトルはひどい。先に述べた「とにかく全体攻撃」の要素は当然含まれており、コストの見合わないスキルや強弱の極端な装備、あからさまで不快感に富むデスエンカ等々、文字通り枚挙にいとまがない。
このゲームのバトルを突き詰めている暇があったらドラクエ3のRTAをがんばったほうが絶対にいい。人生のためになるはずだ。
今年一番つまらなく最もひどかったタイトルはオンリーワン、『神獄塔 メアリスケルターFinale』だと断言する。今年のGotYはこいつでキマリだな……。だが、この世界にはもっと昏く深い闇があることに気付かされるのはすぐあと……。
天穂のサクナヒメ
プレイ前、「うーん、マーベラスパブリッシュのアクションかー劣化朧村正ってところやろうなー」などと疑っていました。ごめんなさい。できますよこのゲームは……。
”リアル”な稲作がどうこうと話題にあがりがちな本作だが、その価値はもっともっと根源的な、作品としての品質の高さにある。たとえば「2Dアクションゲームとして」判断したとしても、2020年で最も素晴らしかったと俺は判断する。
絵作りや世界観も唯一無二だ。適度にデフォルメされたキャラクターは入念に作り込まれた背景に違和感なく溶け込み、シナリオは”手に汗握る”と表現しても誇張ではあるまい。
そしてやはり抜群なのは主人公サクナ姫のかわいらしさ。いわゆるロリババアのカテゴリに入っておきながら、抜けきらない幼さと、それがゆえに成立する成長譚がプレイヤーの心を心地よく刺激する。
全体的に気楽に取り組める仕様となっているが、クリア後の要素やキャラ育成などは一筋縄ではいかない。たっぷり50時間は遊べる、2020年の快作。よほどのアレルギー持ちでなければマスト。これを創ってのけたえーでるわいすの次回作が楽しみだ。
ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団
………………。
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ハッ! 失礼、ガレリアのこと思い出して一瞬気を失っていました。いや失敬。はい、先に申し述べますと、本年度GotYはこいつです。ええ、文句なしに。文句……文句かあ……文句ってなにかなあ……。おっちゃん歳のせいか、もう日本語がようわからんくなっててなあ……。
なんかいきなり正気を失ってるけど、そんくらい期待してたタイトルだってくらいです。いやだって去年のゴタゴタ眺めて「あーもうこれ一生発売されねーんだろうなー」って諦めてたくらいですよ。『ルフラン』がスゴかっただけに惜しいな、と。
ソシャゲの畑を耕して、そのうちPS5あたりで出てくれたら嬉しいな―とか薄らぼんやり期待してたところに、なんだか普通にリリースされそうなムード。俺のテンションはMAXまで高まっていた。
スイとお出しされたものは、まさしく『ルフラン』の続編、期待していたもの、そのものだった。完璧、完璧な仕事だ。俺はこれを待ち望んでいた。この内容なら俺は延期も納得する。
キャラのビルドの自由さと奥深さ、シンプルでありながら爽快感と戦略性に満ちたバトル。緊張感あふれるダンジョン探索。何より、そう、何よりも、研ぎ澄まされた、カリスマさえ感じるキャラクターたちとシナリオ。今年のGotYは間違いなくコイツだ! 誰が何と言おうとコイツにキマリだ! 俺は確信した。
はずだった。
前作をプレイ済みならば、『ガレリア』にもいわゆるラスボスのような、シナリオ上きわめて重要なボスが数体いる、段階的なシナリオになることは予想できていただろう。そして、陶酔しながらプレイできたのは1体目までだった。
倒したぞラスボス(1体目)! かかってこい裏ダンジョン! 今の俺に踏破できない迷路などない!
さあ唐突に始まる急展開。やはりこれだ、『ルフラン』の続編ならばこうでなければ! とワクワクしているところに突きつけられたのはまさかのランダム生成ダンジョン。嘘だろ? これやんの? もしかして延期の理由ってこういうの作ろうとしてたからだったりする?
自動生成されたレベルはごくごく単調なデザインで、定期的にチェックポイントのように出てくる固定マップだけが意識を保てるギリギリの手かがりだった。
ヒイヒイ言いながら登る……登る……ただひたすらに。バトルはおもしろい、シナリオへの期待感は高まったまま、ただただ単調な塔を登る。そう、この苦痛の果てには衝撃的な何かが待ち受けているはずなんだ。この頃、まだ俺は正常だった。
よーし登りきったぜ百と数十階! 出てこいラスボス(2体目)!! 鍛え鍛えた我が魔女の旅団がテメエを軽々とのしてやるウッワ弱っちょっと鍛えすぎたか? まあいいや、エンディングエンディング、っと……
…………。
………。
もういちどのぼってこれるかー?
あああああ!!!!!
いや……。ぶっちゃけ、なんとなく予感はあったよ。そう、なんとなく、とりたてて根拠があるわけじゃないんだけど、なんかこー、もうちょっとあるかなー、みたいなさ。そういった僅かな空気の変動を俺は読み取ってたからよ。大丈夫大丈夫、まだ慌てない慌てない。
よーし登りきったぜ百と数階! 出てこいラスボス(3体目)!! 鍛え鍛えた我が魔女の旅団がテメエを軽々とのしてやるウッワ弱っちょっと鍛えすぎたか? まあいいや、エンディングエンディング、っと……
…………。
………。
ラストダンジョンをどうぞ
あああああああああ!!!!!!!!!!
いや……。ぶっちゃけ、なんとなく予感はあったよ。そう、なんとなく、とりたてて根拠があるわけじゃないんだけど、なんかこー、もうちょっとあるかなー、みたいなさ。ランダムダンジョンの最後がラストダンジョンだと微妙に締まらないでしょ? わかるわかる、作り手のコダワリってやつがよ。
いやいいじゃんいいじゃん、ラストダンジョンって感じ! ウヲー攻略するゾー、出てこいラスボス(4体目)!! ンッ、なかなか強い! このラスボスは本物だ!(ルフラン/ガレリア構文)。ウオオオオキャラ育成! 装備更新! イケイケドンドン!! オッシャ倒した! エンディングエンディング、っと!
もう少しだけ、失せもの探しを続けますか?
あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!
いや……。ぶっちゃけ、なんとなく予感はあったよ。そう、なんとなく、とりたてて根拠があるわけじゃないんだけど、なんかこー、もうちょっとあるかなー、みたいなさ。このままじゃヒロインの片割れがあまりにも救われなさすぎるし、身も蓋もないこといえば重要アイテム手に入れてからラスボス倒したら新展開ってチラッとどっかで読んじゃってたからよ……。
行くか……! 本当に最後の、最後の戦いへ!! オオオオッ、いかにもな構造のダンジョン! 本当にこれが最後だと俺の本能(どちらかというと生存本能)が語りかけてくるぜ! 踏破! 踏破! 踏破! 圧倒的踏破! 踏破に次ぐ踏破! 前人未到の大踏破!!
……。あれ? ラスボスいないの?
ランダムダンジョンおかわりです
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よかろう(Very well)。トロフィーの残り的にも本当に最後の戦いがコレだろう。しょうもないランダムダンジョンならもう200階以上登らされてんだ。何より俺には『メアリスケルター Finale』をクリアしたという実績がある。多少のことならへこたれねえぞ。やってやる、やってやるぞ。かかってこいクソダンジョン。
そして登り始めたラストダンジョン(5個目くらい)、登れども登れどもゴールがみえない。なんならチェックポイントすらロクにない。これもしかして終わりがないのが終わり的なオチだったりする? マジかよ日本一ソフトウェア最低だな即売ってくるわ。
1000Fくらい登ったところで違和感は臨界点に達し、無力感・虚脱感・脱力感とともに5chのスレをぼんやりと眺めていた。そもそもそこまでプレイしている人がいない、当然のことだった。しかし、スレを眺めることおよそ数分、衝撃の書き込みを目の当たりにする。
「3651階で終わり」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺は膝をついた。ゲームに屈した。心が漆黒の感情で塗りつぶされる感触に満たされる。このゲームはク……ク………クs……ク……so…………!
そうだね。遺憾ながら他人の力を借りた形だけれど、真の意味での終わりは見えたんだ。この戦い、俺の勝ちだ! やればできる、あとはやるかやらざるかだ。引くな俺、うろたえるな俺、戸惑うな俺、躊躇うな俺。迷えば敗れるって剣聖が言っとったやろ。
さらに登る……登る……。心を殺して、ひたすらに。だがその実、おそろしいことにこの真・ラストダンジョンは存外シビアな調整になっており、気を抜いたら普通に全滅してしまう設計なのである。泥酔しながらプレイして数百階ロールバックするハメになったことすらあった。真剣、深刻に、淡々と。これはゲームなのか?
俺は、俺は、俺は、本当に生きているのか? 生とは何か? 死とは何か? 無とは何か? 宇宙とは、世界とは……? 神は実在するのか……?
3651Fを登りきり、真のラスボス(メッチャ弱い)を打倒し、エンディングを観ているとき、なぜだか涙が止まらなかった。感動には様々な種類があるんだ。ただ、その虹色の感情のうちのひとつが「怒り」だったことだけは疑いようがない。
物語としては完膚なきまでに完結し、ゲームシステムも飽和したところでちょうど終わったので、これはそれなりにコントロールされたものだと考えられる。そうだ、我々はこうした作品を表現する言葉を知っている。”神ゲー”だ。
いやー、令和になって『スペクトラルタワー』を遊べるとは思わなかったな―。
ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜
『ガレリア』が衝撃的すぎたので心身ともに満身創痍の状態で挑むことになった。
無難、とにかく無難。何もかもが無難なデキ。アトリエシリーズとしては、ロロナあたりから延々継承されてたゼログラビティジャンプがオミットされたこと、調合時などのモーションがやたら凝ってたことなどが特筆に値するか。
調合やバトルは近代アトリエの延長線上で順当に進化してるからよしとして、問題はダンジョンのフラグ管理。ただひたすらにうろつく以外に正解はなく、そのような時間を空費しているヒマは現代人にないので、おのずと攻略サイトをガン見することになる。この事態を予見していなかったというのなら、関係各位は猛省してほしい。
ライザちゃんの尻はよかったですよ。まあ俺は乳派なんですが。
フィットボクシング/フィットボクシング2
自宅トレーニングの一環として導入。有酸素枠になればいいかな、くらいの期待感だったが、いざやってみるとそれどころではなく、プレイした次の日は全身筋肉痛に陥った。ボクササイズとしての要点を的確にピックアップしているのではなかろうか。
本作のキモは、真剣に取り組むかどうか。その一点に尽きる。真面目にやらなければ盆踊りにも満たない負荷だが、目の前に殺したいやつを思い浮かべてプレイすると身体中が悲鳴を上げる。『フィットボクシング』を甘く見ている人は、プロの格闘家やアスリートを除けばおそらくプレイスタイルが雑なだけだ。
判定が怪しかったり、ゲームとしてモチベーションを保つ導線が細かったりするが、純粋に鍛錬という側面だけで評価するならば、『リングフィットアドベンチャー』以上のポテンシャルを秘めている。トレーニング魂に着火済みの人はぜひともプレイしてみてほしい。
少し気になるのが、プレイ時のジョイコンへの負荷。すでにひとつプレイ中に故障している。ジョイコンがジャブやストレートの動きを想定した設計になっているのかいないのか。さりとて繊細な動きで扱えばトレーニングにならない。悩ましいところだ。
Cyberpunk 2077
まだちゃんとクリアしてないので、覚えてたら来年書きます。
ロマンシング サガ リ・ユニバース
無料600連だかなんだかの喧伝に引き寄せられプレイ。蛾か俺は。でも生粋のサガっ子だしよ、しゃーねーよな、オッサンなんだもん。これ以上ソシャゲ増やす気もないし、とりあえず無料分だけ回したるか!
どれとは言わないけれど、そのへんのやつと比べてガチャにおける最高レアの出現率が高く(5%)、それの高低問わず妥当性は問わないが、とにかく気持ちいいことだけは確かだ。あんまりバカスカSSR出るかついちょっと課金しちまったじゃねえか。術中だ……。
思った以上にゲームの骨子がしっかりしていたため、現状プレイ継続中。サガシリーズの曲やビジュアルを使い回されるだけでも若干反則的なのに、それにそこそこ遊びがいのある設計を持ち込まれたらたまったもんじゃない。しかし、凡百のソシャゲと同じく、やたらと周回を強要してくる罪業はそのまま。その点を見直せば本当に素晴らしいファンアイテムになるんじゃなかろうか。
総括
全体的に、クオリティの高いゲームばかり遊んでいた一年だった。本能的に低質なゲームを早々に見切ってしまうようになっただけな気もするが、いずれにせよ人生のリソースは有限なのだから、それはしかたのないことだ。
本年度のGotY、次点は『VALORANT』だ。これは誰に対しても胸を張って言い放てる、充分に根拠のある事柄ではなかろうか。これほどまでにカジュアルかつシリアスに遊べるゲームはここ5年ほどなかった気がする。いまからでも遅くはない、まだ触っていない人はぜひとも挑戦してみてほしい。この世すべての悪がそこにある。
さて、2020年度の優勝は……。もうさっき言いましたよね。『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』だ。あー文句なし文句なし、間違いなし。え? 去年は『じんるい』が0点でGotYだったって? うんうんそうだね、キミはワカってるフレンズだね。
『ガレリア』は……そう。0点にして、100点の存在なんだ。
ありとあらゆる期待に応え、それでいながらなんぼか裏切り、そしてとてつもない殺人的ビーンボールでもある。これほど起伏に富むゲームは少なくとも2020年には類を見なかったし、おそらく今後数年は出てこないし出てこないでもらえると俺の循環器系が助かるかな。心臓に悪いゲームだったよ。
ちゃんと読んでくれた方に対しては言うまでもないけれど、『ガレリア』は一切オススメできないタイトルだ。万物に対する覚悟が完了している限界ゲーマーだけがトライする権利を有する。たまにはそんなゲームがあってもいいし、それが今年最高のゲームだったってことにしても、いいじゃないですか。
2021年はもっとえげつないゲームが出ますように。